M&Aアドバイザリー業務委託契約書

M&Aアドバイザリー契約書

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準拠する法律
民法
  • 契約書の内容によってはその他必要書類があります。

M&Aアドバイザリー業務委託契約書とは

M&Aを検討するにあたって、第三者のアドバイスを利用するのか、つまり「アドバイザリー契約」をするかどうかが検討する点となります。M&Aを実行するためには、パートナーとなる企業の選定から価値やリスクの評価、条件交渉など多くの業務が発生します。また、その業務は、シナジー効果の算定、財務や法務など専門的な知識を要することがほとんどです。そのような複雑かつ膨大な業務を自社にかわって代行してくれるのが、M&A仲介会社やアドバイザリー会社といった存在です。

こちらでは、M&Aアドバイザリーを委託する際に結ぶ「M&Aアドバイザリー業務委託契約書」について解説します。規模によっても異なりますが、M&Aは大きな転機となるでしょうし、失敗可能性を減らすために、効率的に進めるためにも、専門家たる第三者を入れることを検討してください。

M&Aの詳細な解説については、こちらの記事をご参考ください。

M&A契約のためのM&Aアドバイザリー業務委託契約書のポイント

  1. アドバイザーが実施する業務内容が適切に設定できているか
  2. 報酬の定め方が適切か
  3. アドバイザーの責任制限、競業制限等の規定があるか
M&A契約のためのM&Aアドバイザリー業務委託契約書の注意点

  1. 膨大な業務が発生するので、外部アドバイザリーを検討
  2. 業務範囲が設定されていないとトラブルに発展
  3. アドバイザーが負担する責任の内容、再委託するかどうかを確認

M&AにおけるM&Aアドバイザリー業務委託契約書の役割

M&Aアドバイザリー業務委託契約書とは、売り手または買い手の企業が第三者の仲介会社やアドバイザリー会社と契約を交わすときに用いられる契約書のことです。

そもそもM&Aを実行するには、財務や法務などごく専門的な知識を要する勘案事項が多岐に渡って存在し、自社だけで判断を下すのは至極困難です。こうした事柄を正確に噛み砕き、M&Aを検討している企業にアドバイスや手続きの補助を施す役割を担っているのが、M&A仲介会社やアドバイザリー会社であり、彼らに業務委託する際に結ぶのが「M&Aアドバイザリー業務委託契約書」となります。業界では、「アド契約」や「FA(Financial Advisory)契約」とも呼ばれています。

M&Aアドバイザリー業務委託契約書を結ぶ目的は、大きく3つあります。

1.M&Aアドバイザリーの業務範囲を設定するため

M&Aアドバイザーは主に候補企業の探索・選定、候補企業についての情報収集や提案資料作成、さらには相手企業との条件交渉からスケジュール調整など事務的な業務まで行うことが想定されています。そのようにM&Aに関する業務を幅広く担うものの、どこの範囲までするのかは個々具体的に異なりますから、担当業務を契約書に明記しておかなければ「想定していた業務を行ってもらえなかった」「こちらが求めていない業務で報酬を請求された」などのトラブルを招きかねません。そのため、どこまでをアドバイザーにやってもらい、どこからは社内でやるのかといった線引きを契約書で行うことが重要です。

2.秘密保持を守るため

M&Aのアドバイスを得るには、様々な社内情報をアドバイザリー会社に提供する必要があります。その中には、漏洩すれば企業の根幹を揺るがすことになるような情報も含まれているでしょう。情報漏洩を防ぎつつ、提供した情報はアドバイザリー業務以外に使用することを禁止する内容を契約書に記載しておかなければなりません。責任の所在を明確にしておくためにも、アドバイザリー契約に加えて秘密保持契約(NDA)を締結しておくと安心です。

3.報酬を事前に定めるため

アドバイザリー会社からアドバイスを受けるためには、はじめに着手金が必要になることが多く、M&Aが実行されたあとにはアドバイザリー会社に対する成果報酬が発生します。また、アドバイスを受けている期間中もコンサルティング料や業務に関する諸経費が発生するなど、様々な費用体系に基づいて料金を支払わねばなりません。

こうした数々の報酬について事前に定めておかなければ、M&A完了までにかかる業務委託費の総額が大幅に上振れる可能性があります。そのため、報酬については契約を交わす段階で、出来る限り具体的に定めておくことが重要です。最低報酬が定められており、比較的高額なところが多いため十分に注意してください。

上記に記してきた3点のほかにも、業務の再委託についてや、契約期間についての取り決めを記載します。こうしてM&Aアドバイザリー業務委託契約書を締結し、M&Aに関する情報収集や実施までの事務手続きを外部に委託することによって、売り手・買い手企業は自社の経営に注力しながら、効率的にM&Aの検討を進めることができるようになるのです。

M&Aアドバイザリー業務委託契約書において印紙は必要か

内容によって異なりますが、業務委託契約書には印紙による課税が発生します。ここで気になるのが、「M&Aアドバイザリー業務委託契約書には印紙税がかかるのか」ということ。

まず前提として、業務委託契約は「請負契約」と「委任契約」のどちらかに分類されます。請負契約は「成果物の提供」をもって契約終了とされるものを指し、委任契約は成果物が完成するかどうかにかかわらず「業務の遂行」を目的とした契約を指します。印紙税は、前者の請負契約に対して課税が定められており、契約金額に応じて最大60万円を納税しなければなりません。

M&Aアドバイザリー契約は、基本的に情報提供や手続き代行などの「業務遂行」を目的としているため、委任契約に分類されます。つまり、この契約に付随するM&Aアドバイザリー業務委託契約書は非課税対象となり、印紙を貼り付ける必要はありません。

ただし、契約の終了条件として「成果物の提供」を設定している場合は、請負契約として扱われるため、契約金額に応じて印紙税を納める必要があります。

サンプルひな形とポイントを解説

ひな型をご紹介するとともに、契約時に確認しておきたいポイントについて解説します。

①業務内容

アドバイザリー会社は、M&Aに関する業務を全般的にこなしてくれます。しかしながら、依頼する会社によって業務範囲が異なるため、認識に齟齬がないよう書面で定めておくことが大切です。業務内容については、アドバイザリー会社と話し合いを進め、自社にとって適切な業務を選択しましょう。

②契約期間と中途解約

M&Aアドバイザリー業務委託契約書には、「契約期間」と「中途解約」について記した条文が必要です。特に中途解約についての条件が記載されていない場合、仮に契約を打ち切ったとしても、委託費用の支払いを要求される可能性があります。また、アドバイザリー会社によっては中途解約に伴って「違約金」がかかることもあるため、契約時に確認しておきましょう。

③費用

アドバイザリー会社は報酬体系が会社ごとで大きく異なり、計算方式も複雑なことが多いため、費用の算出方法については入念に確認しましょう。また、適切な価格設定であるか、契約書に記載されている内容が事前説明のものと相違ないかどうかも、チェックすべき点です。

④秘密保持の範囲

M&Aを実行するにあたって、委託する側はあらゆる情報をアドバイザーに公表しなければなりません。これらの情報が漏えいしないよう、秘密保持の範囲を定めておきましょう。「どのような情報を秘密情報とするのか」といった内容のほか、情報を開示する相手や使用・複製を許可する条件などを明記しておくことが大切です。

特に重要な企業秘密を取り扱う場合には、M&Aアドバイザリー業務委託契約書とは別で「秘密保持契約書(NDA)」を締結しておくのが賢明です。

⑤再委託の禁止

M&Aアドバイザリー業務委託契約書には、再委託禁止条項を設けておきましょう。仮にアドバイザリー会社が第三者に業務を委託した場合、秘密情報の漏えいリスクが高まるほか、目の届かないところで勝手な行動を取られたり、業務のクオリティが下がったりすることも考えられます。もし再委託を可能とするのであれば、条件や責任範囲、責任の所在などについて明記しておきましょう。

⑥独占か非独占か

M&Aアドバイザリー業務を受ける多くの会社が独占依頼を要求してきます。また、それなりの着手金を支払います。そのため、業務内容に不満があっても、簡単に変更できません。また、不満はないが、もっとよい会社を別に見つけたとしても、簡単に変更することは出来ません。

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